めっきは、表面処理の代表的な加工技術として、幅広く活用されています。
表面処理とは、金属、樹脂、セラミックなどの素材の表面に改質を加えて、装飾性を高めたり、防錆・防食、耐摩耗性、電気伝導性といった機能を付加したりすることです。
めっきはそうした表面処理技術の中の一つです。
めっき以外には、塗装、熱処理による表面硬化、溶射、コーティング、ホットスタンプなどがあります。
その中で、めっきには、さまざまな素材に多様な機能を与えられるというメリットがあります。
素材については、鉄、アルミニウム、銅などの金属から、プラスチック、セラミックス、繊維、微粉末、紙などにまでめっきすることができます。
付与可能な機能の面でも、工業製品でいえば、装飾性、耐食性、耐摩耗性、はんだ付け性(はんだぬれ性)、電気伝導性、電気抵抗、低接触抵抗、磁気特性、耐熱性など多様です。
また、めっき皮膜のすばやい形成が可能なこと、皮膜厚さの制御が容易であること もメリットです。
そのほか、湿式めっきでは、
①量産性・生産コストなどの経済性にすぐれている、
②特殊で複雑な形状のものにも金属被覆ができる、
③微細加工ができる、といった利点もあげられます。
汎用性が高いめっき
今日では、ほかの表面処理との複合技術も開発され、めっき技術はさらに幅を広げつつあります。
たとえば、めっきと電着塗装の複合技術です。
めっき のもつ耐食性、電着塗装によるカラー化は、製品の耐久性や塗膜の平滑化、緻密さの点で、素材上に直接電着塗装したものをしのぎます。工芸品、装飾品 など活用の場が広がっていくことが期待されます。
|