携帯電話などのIT製品や家電製品に貴金属やレアメタル(希少金属)が含まれているので、その廃棄物を積極的に「採掘可能」な資源と考えて都市を1つの鉱山とみなそうとする概念。都市部から排出された電気・電子機器の廃棄物をリサイクルしてそこから貴金属やレアメタルを取り出し、再利用する。南條道夫(当時東北大学選鉱製錬研究所教授)らが1980年代に提唱した、リサイクルについての考え。レアメタルの価格が上昇するに伴い、再び注目されています。
独立行政法人物質・材料研究機構の元素戦略クラスター長の原田幸明の算定によれば、日本国内に蓄積されているリサイクル対象の金属の量は、世界有数の資源国に匹敵する規模の「埋蔵量」を持っている。日本国内の「都市鉱山」に含まれている金は世界の現有埋蔵量の約16%であり、他にもインジウムやタンタルなど、世界の確認埋蔵量の1割を超える金属が多数あります。
「都市鉱山」からの「資源採掘」についての課題は、採算性である。小型家電には1つの製品に多種類のレアメタルが少量ずつ含まれており、選別に手間がかかります。技術的には取り出すことは可能でも、採算が合わない。レアメタルを含む小型家電が大量に廃棄され埋め立てられている現状もあります。また、現在「都市鉱山」の資源は廃棄物処理と抱き合わせにされて安い値段で海外に流出しています。
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