高騰する金価格
金の価格が20年ほどの間に、1,000円から9,800円へ高騰している、という。
2001年時点では金の価格は1,000円だった。
2023年6月17日時点では、金価格が過去最高 1グラム9,876円だそうだ。
金は世界的に取引されていて、物価高や株高などの影響を受け、外国為替市場での急ピッチな円安ドル高進行などが要因である、という。
地位と権力
金の価格が安定している、価値の高いものとして長く信頼されているのと同じくして、金は地位の顕示には理想的だ。
道具や武器に必要な性質には欠けている。金そのものの色や輝きもさるものながら、最も重要なのは他の金属を変色させる腐食に負けない能力である。
古くから、金は社会的地位のある人の装飾品とともに、墓に埋葬されていた。考古学の調査によれば、金製の装飾品とともに埋葬されたのはほんの一握りの人々で、その中でもたった数人だけが実に贅沢な量を持っていたという。
インダス文明やメソポタミアの埋葬地でもエジプトでも、やはり金は富と社会的地位の象徴になった。
金の胸飾りや金冠、金の盃、杖、あらゆる装飾品に金が使われた。
豪華な頭飾りは、形も大きさもさまざまながら、かぶっているのが重要人物であることを公示する手段として長い伝統がある。王冠のすべてが黄金製だったわけではないが、金の王冠は世界各地で王権の象徴とされてきた。
「王は寛大にも金の首飾りを外したもうた」ベオウルフ
歴史的に見て、豪華な贈り物は送り主と受取人と両方の地位を目立たせたようだ。そんな光景を描いた壁画にも、金塊を人々とともに描かれていたものも見つかっている。
金が、古くから、社会階層やエリート階級、地位や権力をあらわしているか、現代でも安定して、いかに価値を認められているのか、再確認できるものは多い。